ブランド連想(Brand Associations)




消費者が記憶の中からブランドについて想起する一連の連想。
ブランド論の権威として知られるデイヴィット・A・アーカー氏はその著「MANAGING BRAND EQUITY(邦題: ブランド・エクイティ戦略)」において、ブランド・エクイティは以下の5つの構成要素で成り立っているとしています。
・ブランド・ロイヤリティ
・ブランド認知
・知覚品質
・ブランド連想
・その他の所有されるブランド資産(ブランド以外の無形資産:特許・商標権・クライアントとの関係性、など)
消費者がその名前を聞いた時に抱くブランドイメージは、この4つめのブランド連想の集積で成り立っています。例えばマクドナルドであれば、「ドナルド・マクドナルドというキャラクター」「子ども」「ハッピーセット」「楽しさ」「親しみやすさ」「黄色いMのゴールデンアーチ」「サービス」「忙しく時間のない時」「簡便」「ドライブスルー」「映画館の隣」のようなブランド連想の蓄積が、心象(イメージ)として反映されるということです。

強いブランドであればそのブランドを思い浮かべた際に何かしらの連想が頭の中に思い浮かぶことが多くなるし、好ましいブランド連想があればそのブランドに価値を感じ感情移入されることが期待されます。ブランド価値を想起させる強く個性的なブランド連想を生むことができれば、競合優位な独自性のあるブランドを育成することが可能になるでしょう。 その要素は広告に限らず様々な活動を通じて連想を創出することとなりますが、ブランド連想は消費者の頭や心の中に蓄積され固有のイメージを醸成させるものなので、どの局面においても一貫性と持続性があることが肝要です。

関連用語: 「ブランド・シグナル」「ブランド・リコール」「識別性 / UIC(Unique Identifying Characteristics: ユニーク識別特性)

コモンズ・コンサルティング・パートナーズでは、「ブランドガイドライン」において、ブランドの核となる価値「ブランドコア」、ブランドが目指すべきもの「ブランド・パーパス」を中心に、それを実証する「ベネフィット」「RTB(Reason to Believe)」「パーソナリティ」などブランドの独自性を定義するとともに、「エグゼキューション・アセット」としてブランドを想起させる要素を設定し、消費者コミュニケーションにおいて表現に磨き上げた「ワーキング・エレメント」として活用します。

また、そのプロセスにおいて、消費者の心のうちにあるブランドの「現在<いま>」と「将来あるべき姿」を探る「ブランドトゥルース調査」という調査メソッドや、ブランドに関わる人たちが一堂に会して行う「ブランディング・ワークショップ」を採り入れることで、消費者にとって意義のあるブランド設計を導き出すのに有効活用することが可能です。